
Since 1999/ふりふディレクターと振り返る
「これまで」そして「これから」 vol.2
特集 ふりふをオープン当初から支えるブレーン的存在、
数々のヒット作を生み出してきたディレクター・永橋彩子。
1999年から今日まで続く「ふりふ」の足跡を彼女の記憶と共に懐古します。
【Collection/2010-2014】
2010年からの5年間は、ふりふの存在を幅広く知っていただくきっかけになればと二冊の書籍を発売。各方面のクリエイターにも参加してもらい、ふりふの可能性を拡張していた時期でもありました。「ふりふらしさ」を一層追求した密度の濃い5年間を語ります。
2010 ガーリーで甘い、オトメシーズン到来

2010 ポストカード
―和×洋の要素が強くなった印象ですが、何か意図はありましたか?
浴衣だけを見るとだいぶ和に寄ったデザインなのですが、あえてスタイリングで洋テイストを加えたシーズンです。モデルさんの頭にへこ帯で染めた生地をアレンジして巻いてみたり、レースの重ね襟を用いたりして、ガーリー要素の強いスタイリングを狙っていました。このときはまだアンティークの流れが残っていたこともあり、普通の和装スタイリングではなくふりふらしさを意識して、レース帯などの洋風アイテムを取り入れていました。
―2010年は大胆な柄づけが多く、オトメチックに仕上がっていますね
「セツナジサイ」、「コガレッタ」をデザインしたときは、テーマが『ロマンティック』だったんです。「コガレッタ」に描かれているハート型の葉っぱは、恋に焦がれて焦げてしまったという意味を込めて、焦げカラーになっているんですよ。私の中に「幸せな気分」という構図があり、そのイメージを膨らませてデザインした結果、テンションが高めのシーズンになったのだと思います。
2011 デザインソースは母の読み聞かせ
―二冊目となるムック本が発売!
新たに本を作ろうと思ったのは、もっとふりふの世界観を出したいと思ったから、そして、より多くのお客様にふりふを知ってほしかったからです。この『キモノガール』が発売されたころから、スタイリングを相澤樹さんにお願いしているのですが、相澤さんの斬新なスタイリングが加わったことで、ふりふの持つパワーが増したと思います。今まで以上に個性が強く出た一冊になりました。
―各シーズンのテーマはどのように生み出しているのですか?
トレンドを意識しながら、普遍的な日本の文化や伝統も並行して考えています。トレンドと伝統は相反するものですが、そこにふりふの独自性が生まれると思っています。私の中には子供の頃、母親に読み聞かせをしてもらった童話が原点としてあり、その物語が展開していく様をどうにかデザインに落とし込めないかということも常に考えています。物語の中にある起承転結、どのシーンを切り取ってもドラマチックな浴衣、着物に仕上げたいという思いがあるのです。
2012 時代と共にカタログもアップデート
―カタログの変化、ポストカードから冊子へ
冊子にするにあたって意識したことは、ふりふの世界観が伝わり、かつお客様が思わず持ち帰りたくなるような、完成度の高いカタログ制作です。このシーズンのお気に入りは、最後の見開きページ。イラストレーターの橘はるかさんが描いてくださった素敵なイラストと、モデルさんが見事にマッチしていて、ページの中に物語が詰まっている感じが好きなんです。
―「夢の恋人」は幾何学模様のみでデザインされていますね
「夢の恋人」については、浴衣と同じ幾何学模様の帯も作りました。浴衣と同柄の帯のコーディネートは新鮮味があり、普段から浴衣をよく着られる方を中心に好まれました。同シーズンの「菊りんご」は、「夢の恋人」とは対照的にまだらな菊がぼかしで入っているデザイン。水でぼかしたような色を出すことで、デザインに奥行きが出るんです。デザインする上で奥行きは常に意識している点でもあり、そこに力を入れるか入れないかで浴衣の印象が大きく変わると思っています。
2013 コラボレーションが生む効果
―カタログの仕様が多様化しましたね
カタログ制作は、テーマをアートディレクター(AD)に伝え、どういうコレクションなのかを理解してもらうところから始まります。その後、ADの方からアイデアをもらい、撮影までにビジュアルの方向性を決めて、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイクの方々とイメージを共有してから撮影に臨みます。私にとってカタログは、大切に作り上げた物語をお客様に伝える“大事な絵本”という思いがあるので、かなり力を入れて作っています。なので、テーマによってカタログのデザインが変化するのは当たり前のことと思っていますし、そこを最後の仕上げと考えて毎回作ることを楽しんでいます。
―スタイリスト・相澤樹さんとのコラボアイテム「スコット」も話題に
相澤さんは感性が豊かな方なので、一緒に浴衣を作ったらおもしろいもができるという確信がありました。一緒にデザインを考えるときはあえてテーマを決めず、そのとき相澤さんが気になっているアイテムを聞くところから始めました。そこで出てきた「アンティークのモチーフ」というワードから、お互いにアイデアを出し合い、デザインを進めていった感じです。私はそれまで誰かとコラボレーションをすることがなかったので、新鮮でおもしろかったです。
2014 意識したのは、幾何学模様×モチーフ
―果物モチーフが多く登場したシーズンですね
テーマが「水辺のマルシェ」だったこともあり、野菜や果物のモチーフがメインになっています。「グレープパンジー」、「りんご」、「桃子」はすべて果物モチーフの浴衣ですが、見た目の印象は様々。でも、ベースにはギンガムチェックやバイアス、ドットといった幾何学模様が使われているんです。幾何学模様×モチーフは当時、常に意識していたデザインのポイントでした。
―2010-2014の「これまで」
2005〜2009年にできたベースに対して、2010〜2014年の5年間はさらに「ふりふらしさ」を強く出していった期間であり、ブランドを掘り下げていった時期でもあったと思います。そして、ふりふに多くのクリエイターの方が携わってくれた5年でもありました。いろんな人の力を借りることでブランドの軸を太くして、より深く突き詰めることができた期間だったと思います。
次回は【Collection/2015-2020】をお届けします!お楽しみに。Instagramにてアーカイブ浴衣の人気アンケートを実施します。1位に選ばれた浴衣は来年復刻するかも!?こちらもぜひ参加してみてください。
>vol.1【Collection/2005-2011】
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